五條市・念仏寺で行われる「陀々堂の鬼はしり」
500年以上の歴史を持つ火の祭典
奈良県五條市の念仏寺陀々堂で毎年1月14日に開催される「陀々堂の鬼はしり」は、
室町時代から続く伝統行事で、国指定重要無形民俗文化財にも指定されています。
木造の堂内に燃えさかるたいまつを持った鬼が姿を現す光景は、他に類を見ない火祭りです。
私も現地で見てきましたが、夕方の空気から夜へと切り替わる時間帯から、
少しずつ「これから何かが起きる」という空気が境内に集まっていきました。
陀々堂の鬼はしりの流れ
昼から夜まで続く伝統行事
「陀々堂の鬼はしり」は、午前~夕方から段階的にプログラムが進みます。
13:00〜五人の僧による大般若心経の転読があり、16:00〜は無灯火の「昼の鬼はしり」、
16:15〜子ども鬼はしり、16:30〜福餅まきなど、老若男女が楽しめる時間が続きます。
19:00〜は堂内で息災護摩供、19:30〜は境内で柴灯護摩供が行われ、
やがて夜のクライマックスへと向かいます。
鬼はしりのクライマックス
堂内を駆ける炎と鬼たち
午後21時になると、参拝者で埋め尽くされた境内中央に行者が現れ、
小さなたいまつを先頭に堂内へと進みます。
始まりは鐘の音と僧侶の読経、その後ヒバの煙が立ちこめる中、
大たいまつへ火が移されると、いよいよ鬼の登場です。
父鬼(赤鬼)・母鬼(青鬼)・子鬼(茶鬼)の三体の鬼が、炎のたいまつを肩に担ぎながら堂内を三度巡ります。
炎はまるで堂内全体を生き物のように照らし、太鼓・法螺貝の音が混じる迫力ある時間となりました。
行ってみて感じた現地の雰囲気
始まる前から集まる人々
夕方の時間帯でもすでに人々が境内に集まり、
然り気ない会話や出店の気配が漂っていました。
子ども連れの家族や、年配の方々まで、
落ち着いた雰囲気の中で行事を待つ時間が自然と共有されていました。
夜が更けるにつれて暗闇と火の光が対比し、
見ているこちらの胸の奥まで静かに熱が伝わってくるような体験でした。
炎とともに“祈りと願い”が場全体に満ちていると感じる瞬間が何度もありました。
鬼はしりの持つ意味と文化
除災招福・無病息災の祈願
この行事は、年頭の修正会結願として、
過去の災厄を払い、無病息災や五穀豊穣を祈る意味があります。
火を使った古くからの儀礼は、日本各地に残りますが、
とりわけ「鬼が福をもたらす」とされる点がこの行事の独自性です。
アクセスと注意点
会場への行き方
会場の念仏寺は、奈良県五條市大津町177に位置します。
駅からは徒歩で30分ほどかかるため、タクシーやシャトルバスを利用するのが便利です。
周辺駐車場は少ないため、上野公園駐車場などを利用し徒歩で向かうのもおすすめです。
夜間の参拝・行事観覧は暗がりも多いため、暖かい服装での参加が安心です。
陀々堂の鬼はしり(念仏寺)概要
| 行事名 |
陀々堂の鬼はしり(念仏寺) |
| 開催日 |
2026年1月14日(水) |
| 時間 |
16:00〜22:00(鬼はしりは21:00〜) |
| 場所 |
奈良県五條市大津町177 念仏寺 陀々堂 |
| 文化財指定 |
国指定重要無形民俗文化財 |
| 特徴 |
500年以上続く火の祭典・鬼が災厄を払い福をもたらすとされる |
| アクセス |
JR大和二見駅から徒歩30分 / 駐車場少・公共交通推奨 |
| 公式サイト |
五條市観光協会
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