
賃貸の排水口から「ゴボゴボ」音がするのはなぜ?原因と自分でできる対処法を解説
キッチンで水を流したら、
「ゴボゴボゴボ……」
洗面台から、
「コポッ、コポッ……」
突然こんな音が聞こえてきたら、
「排水管が詰まった?」
「このまま水があふれてこない?」
「賃貸だけど自分で直していいの?」
と心配になりますよね。
排水口から聞こえる「ゴボゴボ」という音は、水と一緒に排水管の中の空気が動いているときに発生する音であることが多く、音がしただけで直ちに故障とは限りません。
しかし、以前は鳴っていなかったのに突然鳴り始めた場合や、水の流れまで悪くなっている場合は、排水管の汚れや詰まりなどが関係している可能性があります。
今回は、賃貸住宅の排水口から「ゴボゴボ」と音がする主な原因と、自分でできる対処法、管理会社へ連絡した方がよいケースまで詳しく解説します。
排水口の「ゴボゴボ」音、その正体は?
そもそも、なぜ水を流しただけで音がするのでしょうか。
排水管の中には、水だけが入っているわけではありません。
当然、空気もあります。
シンクや洗面台から大量の水を流すと、排水管の中を水が移動し、それに伴って管内の空気も動きます。
そのときに排水口側から空気を取り込んだり、排水トラップ周辺で水と空気が動いたりすると、
- ゴボゴボ
- コポコポ
- ボコッ
- ゴーッ
といった音が聞こえることがあります。
排水時に一時的に音がするだけで、その後も水がスムーズに流れているのであれば、排水に伴う空気の動きによる音の場合もあります。ただし、音が以前より増えた、水の流れが悪いなどの変化がある場合は注意しましょう。
原因① 排水口・排水管に汚れが溜まっている
まず考えられるのが、排水口やその先の排水管に汚れが溜まっているケースです。
水回りによって、溜まりやすい汚れは違います。
キッチン
- 油
- 食べ物の細かなカス
- 洗剤などの汚れ
洗面台
- 髪の毛
- 石けんカス
- 皮脂汚れ
- 整髪料など
浴室
- 髪の毛
- 皮脂
- 石けんカス
- シャンプーなどの汚れ
こうした汚れが排水経路に付着すると、管の中を水や空気が通れるスペースが狭くなることがあります。
その結果、水を流したときに空気の動きが不安定になり、ゴボゴボ音が発生することがあります。
原因② 排水管が詰まりかけている
特に注意したいのが、「完全には詰まっていないけれど、流れが悪くなり始めている状態」です。
完全に詰まってしまえば水が流れなくなるため分かりやすいのですが、初期段階では、
- 以前より水が引くのが遅い
- 水を大量に流すとゴボゴボ鳴る
- しばらくすると水位が下がる
- 音が鳴る回数が増えた
といった症状だけの場合があります。
つまり、ゴボゴボ音が「排水管が詰まり始めていますよ」というサインになっていることもあるわけです。
排水の流れが明らかに以前より悪くなっている場合は、完全に詰まる前に対応した方が安心です。水が流れなくなってから無理に対処すると、漏水など別のトラブルにつながる可能性もあります。
原因③ 排水するときの空気の流れ
排水管では、水がスムーズに流れるために空気の流れも重要です。
例えばペットボトルを逆さにして水を流すと、
「ゴボッ、ゴボッ、ゴボッ」
と音を立てながら水が出てくることがありますよね。
これは、水が出るのと同時に空気がボトル内部へ入ろうとするためです。
住宅の排水設備はもちろんペットボトルとは構造が違いますが、排水と空気が関係している点をイメージするには分かりやすいでしょう。
建物の排水設備には、排水をスムーズに行うために通気を確保する仕組みが設けられています。
何らかの理由で排水時の空気の流れがうまくいかなくなると、排水口や排水トラップ付近からゴボゴボ音が発生する場合があります。
集合住宅では、各住戸の排水管が建物の共用排水設備につながっています。そのため、室内の排水口を掃除しても症状が改善しない場合は、建物側の排水・通気設備などが関係している可能性もあります。
原因④ 大雨や集合住宅の排水が影響することも
「普段は何ともないのに、大雨の日だけ排水口からゴボゴボ音がする」
ということもあります。
建物の排水方式や周辺の下水道の状況などによっては、大雨時に排水環境が普段と変化することがあります。
また、マンションやアパートでは複数の住戸が同じ系統の排水設備を利用している場合があります。
そのため、
- 自分が水を使っていないのに音がする
- 上階などで水が流れたときに音がする
- 複数の排水口から音がする
といった現象が起こることもあります。
一時的な音だけなら直ちに異常とは限りませんが、頻繁に発生する場合や悪臭・水位変化などを伴う場合は、管理会社へ相談してみましょう。
「ゴボゴボ音だけ」なら様子を見てもいい?
判断するときは、「音以外の症状があるか」を確認してみましょう。
少し様子を見られるケース
- たまに音がする程度
- 水はスムーズに流れる
- 悪臭がしない
- 水漏れしていない
- 排水口の水位に大きな変化がない
注意したいケース
- 急に音が大きくなった
- 毎回ゴボゴボ鳴る
- 水の流れが遅い
- 排水口から悪臭がする
- 水が逆流してくる
- 複数の水回りで症状が出る
特に「ゴボゴボ音+流れが悪い」という組み合わせは、排水経路に汚れや詰まりが発生している可能性を考えた方がよいでしょう。
自分でできる対処法
では、ゴボゴボ音が気になったら何をすればよいのでしょうか。
まずは、入居者が日常的に掃除できる範囲から確認します。
① 排水口のゴミを取り除く
最初に確認したいのが排水口です。
キッチンならゴミ受け、浴室ならヘアキャッチャーなどにゴミが溜まっていないか確認します。
- 髪の毛
- 食べ物のカス
- ぬめり
- 石けんカス
- その他のゴミ
など、目に見える範囲の汚れを取り除きましょう。
② 取り外せる部品を掃除する
排水口には、ゴミ受けや排水トラップなど、清掃のために取り外せる部品が付いていることがあります。
取扱説明書などで取り外し可能な部品を確認し、汚れを落とします。
ただし、外し方が分からない部品を力任せに取り外すのは避けましょう。
③ 水の流れを確認する
掃除後に少量ずつ水を流し、
- 以前より流れが良くなったか
- ゴボゴボ音が減ったか
- 水が溜まらないか
- 接続部分から漏水していないか
を確認します。
掃除だけで改善したのであれば、排水口周辺の汚れが原因だった可能性があります。
市販のパイプクリーナーを使ってもいい?
排水口の掃除といえば、液体タイプなどのパイプクリーナーを思い浮かべる方も多いでしょう。
使用できる設備であれば、髪の毛や油脂などの汚れを落とすために利用できる製品があります。
ただし、使用するときは必ず製品の表示を確認してください。
- 使用できる排水設備か確認する
- 指定された使用量を守る
- 放置時間を守る
- 換気する
- ゴム手袋などを使用する
- 使用後は表示に従って十分に水を流す
特に塩素系の製品には「まぜるな危険」と表示されているものがあります。酸性タイプの洗浄剤などと混ざると、有害な塩素ガスが発生する危険があります。必ず製品表示を確認し、異なる洗剤を自己判断で混ぜないでください。
また、すでに水がほとんど流れないほど詰まっている場合は、薬剤を追加して様子を見るより、管理会社へ相談した方が安全なケースもあります。
これはNG!やらない方がいい対処法
排水が悪くなると、
「何とか自分で直そう!」
と思うかもしれません。
しかし賃貸住宅では、やり過ぎるとかえってトラブルを大きくする可能性があります。
熱湯を一気に流す
「油汚れなら熱湯で溶かせばいいのでは?」
と思うかもしれませんが、排水設備には樹脂製の配管や部品などが使用されていることがあります。
高温のお湯を自己判断で大量に流すのは避けましょう。
棒やワイヤーを無理に突っ込む
詰まりを押し流そうとして、長い棒などを排水口へ無理に入れるのもおすすめできません。
排水管や排水トラップを傷つけたり、詰まりをさらに奥へ押し込んだりする可能性があります。
排水管を勝手に分解する
洗面台の下を見ると排水管が見えるため、
「ここを外せば掃除できそう」
と思うことがあります。
しかし、取り付け方を誤ると接続部分から水漏れする可能性があります。
日常的に清掃できる範囲を超えて排水管を分解したり、設備を加工したりするのは避けましょう。改善しない場合は管理会社や貸主へ相談してください。
こんな症状なら管理会社へ連絡しよう
ゴボゴボ音がしても、すぐ管理会社へ連絡すべきか迷いますよね。
目安として、次のような症状がある場合は相談を検討しましょう。
- 排水口を掃除しても改善しない
- 水がほとんど流れない
- 排水した水が逆流してくる
- キッチン・浴室など複数箇所で症状がある
- 自分が水を使っていないのに頻繁にゴボゴボ鳴る
- 排水口から強い悪臭がする
- 排水管や床から水漏れしている
- 下の階などへの漏水が疑われる
特に逆流や漏水が発生している場合は、放置しないようにしましょう。
集合住宅では、自分の部屋だけでなく他の住戸へ影響する可能性があります。
「どこから音がするのか」「いつからなのか」「水の流れは悪いか」「悪臭はあるか」「他の排水口でも同じ症状があるか」などを伝えると、状況を説明しやすくなります。
排水口の「封水」がなくなっている場合にも注意
排水口のトラブルで覚えておきたい言葉が、「封水(ふうすい)」です。
排水口の奥には、排水管から上がってくる、
- 下水のにおい
- 害虫
などが室内へ入りにくくなるよう、水を溜めておく構造があります。
この水を「封水」と呼びます。
長期間部屋を留守にした場合などには、封水が蒸発して少なくなることがあります。
また、排水設備の状況によっては、排水時の圧力変化などで封水が減少することもあります。
その結果、
- 排水口から下水のようなにおいがする
- ゴボゴボという音とともに水位が変化する
といった症状が現れることがあります。
しばらく使用していなかった排水口なら、まず水を流して封水を確保すると改善する場合があります。
ただし、日常的に使用しているのに封水がなくなる、何度水を流しても強い悪臭が続くという場合は、管理会社へ相談しましょう。
普段からできる詰まり予防
ゴボゴボ音や排水詰まりを防ぐには、日頃の使い方も重要です。
キッチン
- 油をそのまま排水口へ流さない
- 食べ残しを流さない
- ゴミ受けをこまめに掃除する
- 細かな食品カスもできるだけ取り除く
浴室
- 髪の毛をこまめに取り除く
- ヘアキャッチャーを清掃する
- ぬめりを放置しない
洗面台
- 髪の毛を流さない
- 異物を落とさない
- 排水口周辺を定期的に掃除する
特にキッチンでは、油を排水口へ直接流さないことが大切です。
油は冷えると固まりやすく、排水管内部へ付着して詰まりの原因になることがあります。
排水管の汚れは一度で完全に詰まるとは限りません。毎日の小さな汚れが少しずつ蓄積することがあります。普段から排水口へ流すものを意識しておくことが予防につながります。
まとめ
賃貸住宅の排水口から聞こえる「ゴボゴボ」という音は、排水管の中で水と空気が動くことによって発生する場合があります。
そのため、一度ゴボゴボ鳴っただけで「排水管が故障した!」と判断する必要はありません。
ただし、
- 以前より音が増えた
- 水の流れが遅くなった
- 悪臭がする
- 水が逆流する
- 複数の排水口で症状がある
といった変化がある場合は、排水口や排水管の汚れ・詰まり、建物側の排水設備などが関係している可能性があります。
まずは、ゴミ受けやヘアキャッチャーなど入居者が普段掃除できる範囲を確認してみましょう。
それでも改善しない場合に、排水管を自己判断で分解したり、無理に異物を押し込んだりするのはおすすめできません。
特に賃貸住宅では、自分の部屋の排水管だけでなく建物の共用排水設備が関係しているケースもあります。
「ゴボゴボ音+流れが悪い」「逆流する」「水漏れしている」といった症状があるなら、早めに管理会社や貸主へ相談しましょう。
小さな「ゴボゴボ」という音も、排水設備の状態を知らせてくれているサインかもしれません。普段と違う変化に気付いたら、まずは排水口周辺をチェックしてみてください。
