
「朝蜘蛛は殺すな」ってどういう意味?|昔からの言い伝えと家に蜘蛛が出たときの対処法
朝、出かけようとしたら玄関に蜘蛛が……。
退治しようとしたところ、
「朝蜘蛛は殺したらダメ!」
と言われた経験はありませんか?
昔から日本では、「朝蜘蛛は殺すな」「朝蜘蛛は縁起がいい」といった言い伝えがあります。
一方で、
「夜蜘蛛は殺せ」
という、まったく反対の言い伝えまであります。
同じ蜘蛛なのに、なぜ朝と夜で扱いが変わるのでしょうか。
今回は「朝蜘蛛は殺すな」という言葉の意味から、家の中に蜘蛛が現れる理由、賃貸住宅でもできる侵入対策まで紹介します。
「朝蜘蛛は殺すな」ってどういう意味?
「朝蜘蛛は殺すな」とは、昔から伝わる日本の言い伝えのひとつです。
地域や家庭によって表現は異なりますが、
- 朝蜘蛛は縁起がいい
- 朝蜘蛛は福を運んでくる
- 朝蜘蛛を見ると良いことがある
- 朝蜘蛛はお客さんが来る知らせ
などと言われることがあります。
つまり「朝蜘蛛は殺すな」という言葉は、蜘蛛の生態について科学的なルールを示したものではなく、朝に見る蜘蛛を吉兆として扱う昔からの俗信・言い伝えです。
「朝蜘蛛を殺すと本当に不幸になる」という科学的根拠があるわけではありません。昔から受け継がれてきた縁起に関する言い伝えとして考えましょう。
なぜ朝蜘蛛は縁起がいいの?
では、なぜ「朝の蜘蛛」が良いものと考えられるようになったのでしょうか。
由来については諸説あり、ひとつに断定できるものではありません。
その中でも分かりやすいのが、朝という時間そのものに対するイメージです。
朝は、
- 一日の始まり
- 太陽が昇る時間
- 活動が始まる時間
- 明るさが戻ってくる時間
です。
昔から朝や日の出は、物事の始まりや良い兆しと結び付けて考えられることがありました。
そこから、朝に現れる蜘蛛についても縁起の良い存在として扱われるようになった、という説があります。
蜘蛛の巣=人や縁を結ぶ?
蜘蛛が作る巣も、縁起のイメージにつながったと考えられています。
蜘蛛は細い糸を張り巡らせて大きな巣を作ります。
その姿から、
- 人との縁
- 良縁
- 人を呼び寄せる
といったイメージと結び付けられることがあります。
そのため「朝蜘蛛を見ると客が来る」といった言い伝えが残っている地域もあります。
「夜蜘蛛は殺せ」と言われる理由は?
朝蜘蛛とは反対に、
「夜蜘蛛は殺せ」
という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。
こちらも科学的な根拠があるわけではなく、昔からの言い伝えです。
夜は昔から、
- 暗い
- 何が起こっているか分かりにくい
- 泥棒などが活動する時間
というイメージがありました。
そこから夜に現れる蜘蛛を「盗人の先触れ」などと結び付け、縁起が悪いと考える地域や家庭もあったとされています。
朝蜘蛛
- 縁起がいい
- 福を運ぶ
- 客が来る知らせ
- 殺さない方がいいという言い伝え
夜蜘蛛
- 縁起が悪いとされた地域も
- 盗人を連想
- 不吉とする言い伝え
- 退治した方がいいという俗信も
ただし、これらはあくまで昔からの俗信です。
地域によって伝わっている内容にも違いがあるため、「日本全国で必ずこの意味」というものではありません。
朝と夜で蜘蛛そのものに違いはある?
ここまで読むと、
「じゃあ朝の蜘蛛と夜の蜘蛛は種類が違うの?」
と思うかもしれません。
もちろん、朝に見たから良い蜘蛛、夜に見たから悪い蜘蛛になるわけではありません。
同じ蜘蛛が朝に現れることもあれば、夜に活動する種類もいます。
つまり「朝蜘蛛」「夜蜘蛛」という言葉は、生物学的な分類ではありません。
20時に見た蜘蛛が悪い蜘蛛で、翌朝8時に見たら良い蜘蛛へ変わるわけではありません。「朝蜘蛛は殺すな」は、生き物の分類ではなく昔からの縁起に関する話です。
実は家の中の蜘蛛は虫を食べてくれる
蜘蛛を見ると、
「害虫だ!」
と思ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、家の中で見かける蜘蛛の中には、ほかの小さな虫を捕食して生活しているものもいます。
種類によっては、
- ハエ
- 小さな羽虫
- 蚊などの小型昆虫
- ゴキブリの幼虫など
を捕食することがあります。
そのため、家の中で見かける蜘蛛がすべて「家を傷める害虫」というわけではありません。
むしろ、蜘蛛を室内で何度も見かける場合は、蜘蛛のエサになる虫が室内にいる可能性も考えてみましょう。
それでも蜘蛛が苦手!どうやって外へ出す?
「虫を食べてくれるのは分かった。でも蜘蛛は無理!」
という方も多いでしょう。
無理に同居する必要はありません。
殺虫剤を使わず外へ逃がしたい場合は、透明な容器と厚紙などを利用する方法があります。
- 蜘蛛の上から透明な容器をかぶせる
- 容器と壁・床の間へ厚紙をゆっくり差し込む
- 容器と厚紙を一緒に持つ
- 屋外へ移動して逃がす
ただし、無理に素手で触る必要はありません。
種類が分からない場合や、見慣れない蜘蛛の場合は不用意に触れないようにしましょう。
家に蜘蛛が出るのはなぜ?
蜘蛛が室内に現れる理由として考えられるのが、
- 窓や網戸の隙間から入った
- 玄関を開けたときに入った
- 換気口などから侵入した
- 荷物や植物などと一緒に入った
- 室内にエサとなる虫がいる
などです。
「蜘蛛を1匹見た=部屋が汚い」と単純に判断する必要はありません。
玄関や窓を開けたタイミングで偶然入ってくることもあります。
ただし、何度も蜘蛛を見かける場合は、侵入経路や室内の虫対策を一度見直してみてもよいでしょう。
賃貸住宅でできる蜘蛛の侵入対策
蜘蛛そのものだけを対策するのではなく、蜘蛛が入りにくく、エサとなる虫も増えにくい環境を作ることがポイントです。
① 網戸の状態を確認する
網戸に破れや大きな隙間があると、蜘蛛だけでなくさまざまな虫が侵入しやすくなります。
賃貸住宅で網戸に破損がある場合は、勝手に大きな修理をする前に管理会社へ相談しましょう。
② 玄関を長時間開けっぱなしにしない
荷物の搬入や掃除の際など、玄関を開けっぱなしにしていると虫が入りやすくなります。
特に夜間は玄関照明へ虫が集まり、それを狙って蜘蛛が近づく場合もあります。
③ ベランダを整理する
ベランダに植木鉢、段ボール、使っていない収納用品などを大量に置くと、虫が隠れやすい場所が増えてしまいます。
定期的に掃除し、不要な物を置きっぱなしにしないようにしましょう。
④ 小さな虫を増やさない
- 生ゴミを長期間放置しない
- 食べ残しをそのままにしない
- 排水口を定期的に掃除する
- 窓際に虫の死骸を放置しない
蜘蛛のエサになる虫を減らすことも、結果的に蜘蛛を見かけにくくする対策になります。
虫の侵入口に見える隙間があっても、それが換気や排水など住宅に必要な構造である可能性があります。パテやテープなどで設備の開口部を自己判断で完全に塞ぐのは避けましょう。
蜘蛛の巣を放置するのはおすすめしない
「朝蜘蛛は縁起がいいなら、蜘蛛の巣も残しておいた方がいい?」
という話ではありません。
室内やベランダ、玄関周辺に蜘蛛の巣ができている場合は、定期的に掃除しましょう。
特に賃貸住宅の共用廊下や階段などは、入居者が自由に物を置いたり作業したりできる場所ではありません。
共用部分に大量の蜘蛛の巣がある場合など、自分では対応しにくい場所については管理会社へ相談してください。
また、専用使用しているベランダについても、日頃から清掃しておくと虫が集まりにくい環境を作りやすくなります。
まとめ
「朝蜘蛛は殺すな」という言葉は、朝に現れる蜘蛛を縁起の良い存在と考える、昔からの言い伝えです。
一方で「夜蜘蛛は殺せ」という正反対の言い伝えもありますが、どちらも科学的に朝と夜で蜘蛛の性質が変化するという話ではありません。
そして暮らしの視点で見ると、家の中にいる蜘蛛の中には、ハエなどの小さな虫を捕食する種類もいます。
蜘蛛が苦手なら無理に室内へ残しておく必要はありませんが、すぐに退治するのではなく、安全に外へ逃がすという方法もあります。
また、蜘蛛を何度も見かけるなら、蜘蛛だけではなく、「どこから入っている?」「エサになる虫がいない?」というところまで確認してみましょう。
次に朝蜘蛛を見かけたら、「そういえば縁起がいいって言われてたな」と、昔からの暮らしの知恵を少し思い出してみてはいかがでしょうか。
