
賃貸の換気扇は24時間つけっぱなしでいい?電気代や正しい使い方を解説
「換気扇って、ずっとつけっぱなしでいいの?」
一人暮らしを始めると、意外と迷う住宅設備のひとつです。
浴室を見れば換気扇、トイレにも換気扇。そして物件によっては壁に「24時間換気」と書かれたスイッチがあります。
電気代がもったいない気がして、
「使わないときは全部消した方がいいのでは?」
と思っている方もいるかもしれません。
しかし、換気は室内の湿気やにおいを外へ排出し、快適な住環境を保つために重要です。特に「24時間換気システム」は、基本的に常時運転を前提とした設備です。
今回は、賃貸住宅の換気扇はつけっぱなしでいいのか、浴室・トイレ・キッチンでは使い方が違うのか、電気代はどの程度なのかまで詳しく解説します。
換気扇って24時間つけっぱなしでいいの?
結論からいうと、どの換気扇でも一律に「24時間つけっぱなしが正解」というわけではありません。
重要なのは、何のための換気設備なのかを確認することです。
24時間換気システム
住宅全体を継続的に換気するための設備。基本的には常時運転を前提に使用します。
浴室・トイレの換気扇
湿気やにおいの排出が主な目的。設備によっては24時間換気システムの一部になっている場合もあります。
キッチンの換気扇
調理中に発生する煙・蒸気・においなどを排出するのが主な役割です。
同じ「換気扇」と呼んでいても、役割が違います。
まずは自宅の換気設備がどのタイプなのかを確認してみましょう。
まず「24時間換気」と普通の換気扇は分けて考えよう
比較的新しい賃貸住宅では、「24時間換気」と書かれたスイッチや操作パネルを見かけることがあります。
これは単に「浴室を乾燥させるための換気扇」というわけではありません。
2003年7月に施行された改正建築基準法では、シックハウス対策として、原則としてすべての建築物に機械換気設備の設置が求められるようになりました。
住宅では、必要な換気量を確保するための換気設備が設けられています。
そのため「24時間換気」の設備については、
- 湿気を外へ排出する
- 室内の空気を入れ替える
- においを排出する
- 室内空気環境を維持する
といった役割があります。
「24時間換気システム」と「料理中に使用するキッチンのレンジフード」では役割が異なります。「換気扇は全部24時間回す」と覚えるのではなく、設備ごとの用途を確認しましょう。
24時間換気は基本的に止めない
部屋に「24時間換気」と書かれたスイッチがある場合、
「電気代がもったいないから、外出するときはOFF」
としていませんか?
24時間換気システムは、その名前のとおり継続して換気することを想定した設備です。
そのため、通常は常時運転を基本として考えます。
長時間停止すると、住宅の条件や季節によっては、
- 室内に湿気がこもる
- 結露が発生しやすくなる
- カビが発生しやすくなる
- 生活臭が残りやすくなる
- 空気がこもる
といったことにつながる可能性があります。
特に一人暮らしでは、仕事や学校で長時間留守にすることがあります。
「誰もいない=換気する必要がない」ではありません。
室内干しや浴室の湿気、建物の気密性などによって、留守中でも室内の湿度や空気環境は変化します。
24時間換気システムは常時運転を前提として設計されているものがあります。停止の可否や操作方法については、設備の取扱説明書や入居時の案内を確認してください。
浴室の換気扇はつけっぱなしでもいい?
賃貸住宅で特に換気が重要なのが浴室です。
お風呂を使った直後の浴室には大量の湿気が残っています。
そのまま換気せずにいると、
- 天井
- 壁
- 床
- 目地
- ゴムパッキン
などに水分が残り、カビが発生しやすい環境になります。
そのため入浴後は換気扇をしっかり運転しましょう。
浴室換気扇が住宅の24時間換気を兼ねているタイプなら、基本的に常時運転します。
一方、独立した浴室換気扇の場合は、入浴後に一定時間運転するなど、設備に合った使い方をします。
浴室から出た直後は、壁や天井などにまだ多くの水分が残っています。「お風呂から出たから換気終了」ではなく、浴室が乾くまで換気することがカビ対策につながります。
浴室のドアは開けた方がいい?
ここも迷いやすいポイントです。
浴室の湿気を逃がそうとして、入浴後にドアを全開にする方もいます。
しかし、ドアを大きく開けると浴室の湿気が脱衣所や室内側へ流れ込む場合があります。
浴室ドアに換気用のガラリや通気口が設けられている場合は、基本的にその空気の流れを利用して換気します。
設備によって適切な使い方は異なるため、取扱説明書などを確認しましょう。
トイレの換気扇は?
トイレの換気扇は、主ににおいや湿気を排出する役割があります。
物件によって、
- スイッチでON・OFFするタイプ
- 照明と連動するタイプ
- 照明を消してから一定時間動く遅延タイプ
- 24時間換気と連動しているタイプ
などがあります。
24時間換気の排気口としてトイレが利用されている住宅では、換気扇が常時運転していることもあります。
「誰も使っていないのに換気扇が動いているから故障?」と思うかもしれませんが、24時間換気の仕様である可能性があります。
スイッチや操作パネルに「24時間換気」「常時換気」などの表示がないか確認してみましょう。
キッチンの換気扇も24時間つける?
キッチンのレンジフードは、24時間換気とは少し分けて考えた方が分かりやすいでしょう。
主な目的は、調理中に発生する、
- 煙
- 水蒸気
- 油を含んだ空気
- 料理のにおい
などを外へ排出することです。
そのため、基本的には調理中と調理後に使用するという使い方になります。
調理が終わった瞬間にOFFにするのではなく、室内に残ったにおいや蒸気を排出するため、しばらく運転しておくと効果的です。
「常時換気」「24時間換気」機能付きなら別
レンジフードの中には、通常の強・中・弱運転とは別に「常時換気」「24時間換気」などの機能が搭載されているものがあります。
この場合は、その機能を常時使用することを想定している場合があります。
自宅のレンジフードにどのような機能があるのか、一度操作ボタンを確認してみましょう。
気になる電気代はどれくらい?
24時間つけっぱなしと聞くと、やはり気になるのが電気代です。
ただし、換気扇の電気代は機種や消費電力、運転モード、電力会社との契約などによって異なります。
自宅の換気扇の消費電力が分かれば、おおよその電気代を計算できます。
消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量料金単価(円/kWh)
例えば消費電力10Wなら「0.01kW」として計算します。
仮に消費電力が10Wの換気設備を24時間、30日間使用すると、
0.01kW × 24時間 × 30日 = 7.2kWh
となります。
仮に電力量料金単価を31円/kWhとして単純計算すると、
7.2kWh × 31円 = 約223円/月
です。
ただし、これはあくまで「10W・31円/kWh」と仮定した計算例です。
実際の消費電力や電気料金は各家庭で異なります。
5Wの場合
約112円/月
※31円/kWhで単純計算
10Wの場合
約223円/月
※31円/kWhで単純計算
20Wの場合
約446円/月
※31円/kWhで単純計算
実際に知りたい場合は、換気設備の取扱説明書や本体表示などで消費電力を確認し、自宅の電気料金単価を使って計算してみましょう。
節電も大切ですが、24時間換気を止めたことで結露やカビが発生してしまっては、暮らしや住まいへの影響が大きくなる可能性があります。
換気扇を回しているのに換気できない?「給気口」も重要
ここは意外と知られていないポイントです。
換気扇は室内の空気を外へ排出します。
では、その分の新しい空気はどこから入ってくるのでしょうか。
住宅によっては、壁などに設けられた「給気口」から外気を取り入れる仕組みになっています。
部屋の壁に、
- 丸いフタのようなもの
- 四角い通気口
- 「OPEN」「CLOSE」と書かれた設備
がありませんか?
それが給気口である可能性があります。
換気扇が空気を外へ出し、給気口などから新しい空気が入ることで、住宅内に空気の流れができます。
24時間換気を使用している住宅で給気口を閉じてしまうと、計画された空気の流れが確保しにくくなる場合があります。給気口の使い方については、住宅設備の取扱説明書や入居時の案内を確認しましょう。
給気口の家具による「封鎖」にも注意
模様替えをしたときに、
「気付いたらタンスの後ろに給気口が隠れていた」
というケースもあります。
給気口の前に大型家具を置くと、空気を取り込みにくくなる場合があります。
家具配置を変更するときは、コンセントだけでなく給気口の位置も確認してみましょう。
換気扇を止めたくなる「寒い・暑い」はどうする?
24時間換気を止めたくなる理由として多いのが、
「冬に冷たい空気が入ってきて寒い」
というものです。
また夏場には、外の暑い空気が入ってくるのが気になることもあります。
しかし、寒い・暑いからといって、給気口を完全に塞いだり24時間換気を長期間停止したりすると、本来想定されている換気ができなくなる可能性があります。
設備によっては換気量を調整できるものもあるため、まずは取扱説明書を確認しましょう。
また、給気口用のフィルターなどが設けられている場合は、正しく取り付けられているかも確認します。
換気扇から音がする場合は?
「24時間換気をつけているけど、最近音が大きくなった」
そんなときは、そのまま放置しない方がよいでしょう。
例えば、
- 以前より「ゴーッ」という音が大きい
- カラカラ音がする
- キュルキュル音がする
- 振動が大きくなった
- 吸い込みが弱くなった
といった変化がある場合です。
原因はひとつではありませんが、フィルターや換気扇にホコリが溜まっていることもあれば、部品の劣化や故障などが関係していることもあります。
まずは入居者が清掃できる範囲を確認し、それでも異音や不具合が続く場合は管理会社へ相談しましょう。
賃貸住宅の設備を自己判断で分解したり、モーター部分まで取り外したりするのは避けましょう。故障が疑われる場合は管理会社や貸主へ相談してください。
換気扇の掃除も忘れずに
換気扇は回しているだけで終わりではありません。
長期間使用すると、
- ホコリ
- 油汚れ
- 繊維くず
- その他の汚れ
などが付着します。
特にキッチンのレンジフードは油汚れ、浴室やトイレの換気扇はホコリが溜まりやすい場所です。
フィルターなどに汚れが溜まると、空気を吸い込みにくくなり、換気性能が低下する原因になります。
給気口のフィルターも確認
忘れがちなのが給気口です。
外気を取り入れるため、
- ホコリ
- 花粉
- 虫
- 外気中の汚れ
などがフィルターに付着することがあります。
換気扇だけを掃除していても、給気側が詰まっていれば十分な空気の流れを確保しにくくなります。
設備の取扱説明書に従って、定期的に状態を確認しましょう。
賃貸の換気扇、勝手に交換していい?
換気扇から異音がする、動かなくなった、吸い込みが弱い。
そんなとき、
「ホームセンターで買って自分で交換しよう」
と考えるのは待ってください。
賃貸住宅に最初から設置されている換気扇は、貸主側の設備として扱われていることが一般的です。
故障した場合は、まず管理会社や貸主へ連絡しましょう。
入居者が勝手に交換すると、
- 設備仕様が変わってしまう
- 建物の換気計画に影響する
- 電気工事が必要になる
- 原状回復の問題につながる
可能性があります。
入居者が日常的に行うフィルター清掃などと、設備本体の修理・交換は別です。故障や異常が疑われる場合は、無理に直そうとせず管理会社へ相談しましょう。
まとめ
賃貸住宅の換気扇は、すべてを同じように考えるのではなく、「何のための換気設備なのか」を確認することが大切です。
特に24時間換気システムは、基本的に常時運転を前提として使用する設備です。
一方、キッチンのレンジフードなどは、調理時を中心に使用する設備が一般的です。
そして換気を考えるときに忘れたくないのが、
- 換気扇を回す
- 給気口を適切に使用する
- フィルターを掃除する
という3つです。
「換気扇を回しているから大丈夫」と思っていても、給気口が閉じていたり、フィルターがホコリで詰まっていたりすると、本来の換気性能を発揮しにくくなる場合があります。
また、24時間運転の電気代が気になる場合は、換気扇本体の消費電力を確認すれば、おおよその金額を計算できます。
節電のために何となくOFFにするのではなく、「このスイッチは何の換気?」を一度確認してみましょう。
正しく換気することは、においだけでなく、結露やカビを防ぎ、賃貸のお部屋をきれいに保つことにもつながります。
