
「築浅」と「築古」、結局どっちがいい?|家賃だけでは決められない賃貸選び
お部屋探しで物件を比較していると、必ずと言っていいほど目に入るのが「築年数」です。
「せっかく引っ越すなら築浅がいい」
「でも築古なら家賃を抑えられそう」
「リフォームされていれば古くても問題ない?」
こんなふうに迷う方も多いのではないでしょうか。
確かに築浅物件には、新しい設備やきれいな内装など魅力があります。
一方、築年数が経過した物件にも、家賃や立地、間取りなどで魅力的なものはたくさんあります。
大切なのは、 「築浅だから良い」「築古だから悪い」と築年数だけで判断しないこと です。
今回は、築浅と築古それぞれの特徴を比較しながら、家賃だけでは分からない賃貸物件の選び方を解説します。
そもそも「築浅」「築古」は築何年?
実は「築浅」「築古」という言葉について、賃貸物件に共通する明確な年数基準があるわけではありません。
不動産情報では、一般的に築年数が比較的新しい物件を「築浅」と表現しますが、築何年までを築浅とするかは、不動産会社や情報サイトなどによって異なることがあります。
例えば、
- 築3年以内
- 築5年以内
- 築10年以内
など、探す方によっても「新しい」と感じる範囲は違います。
同じように「築古」についても、「築○年以上なら築古」という全国共通の線引きがあるわけではありません。
実際の築年月を確認して比較するのがおすすめです。
築浅物件のメリット
まずは、築浅物件を選ぶ主なメリットから見ていきましょう。
① 室内や共用部が比較的新しい築浅物件の分かりやすい魅力は、建物そのものが新しいことです。
室内だけでなく、エントランス、廊下、階段などの共用部分も比較的新しく、建物全体に清潔感を感じやすい傾向があります。
② 設備が充実していることがある比較的新しい賃貸物件では、現在のお部屋探しで人気の設備が最初から採用されているケースがあります。
例えば、
- モニター付きインターホン
- オートロック
- 宅配ボックス
- 浴室乾燥機
- 温水洗浄便座
- インターネット設備
などです。
もちろん物件によって設備内容は異なりますが、設備を重視する方にとって築浅は探しやすい選択肢のひとつです。
③ 水回りに新しさを感じやすいキッチン・浴室・洗面台・トイレなどは、毎日使う場所です。
築浅では設備自体が比較的新しいため、水回りのデザインや使い勝手を重視する方には魅力を感じやすいでしょう。
④ 現代の暮らしに合った間取りも築浅物件では、現在の生活スタイルを意識した収納や間取りが採用されていることがあります。
ウォークインクローゼットや対面キッチンなど、「こんな設備が欲しかった」という条件を見つけやすい場合があります。
築浅物件で気をつけたいポイント
一方で、築浅ならすべての条件で優れているとは限りません。
① 家賃が高めになることがある同じエリア・似た広さで比較すると、築浅物件のほうが家賃設定が高くなることがあります。
「新しさ」を優先することで、毎月の住居費が上がる可能性があるため、予算とのバランスは重要です。
② 希望エリアで見つからないことも築浅物件は、当然ながら建築されてからそれほど年数が経っていない物件に限られます。
そのため、「駅徒歩5分以内」「この学区」「このエリア」など立地条件を細かく指定すると、候補が少なくなることがあります。
③ 新しい=広いとは限らない築浅だからといって、必ずしも部屋や収納が広いわけではありません。
同じ家賃なら、築年数が経過した物件のほうが専有面積が広いケースもあります。
家賃・広さ・立地のどれを譲ることになるのかも考えてみましょう。
築古物件のメリット
築年数が経過した物件にも、築浅とは違った魅力があります。
① 家賃を抑えられる可能性がある築年数は家賃設定に関係する要素のひとつです。
同じような立地や広さでも、築年数が経過していることで築浅物件より家賃が抑えられている場合があります。
「建物の新しさより毎月の家賃を重視したい」という方にとっては、大きなメリットです。
② 同じ予算で広い部屋を狙えることも築浅だけに絞らず築年数の条件を広げることで、同じ予算でも広いお部屋が候補に入ることがあります。
例えば、
- もう一部屋欲しい
- 収納を広くしたい
- リビングの広さを優先したい
という場合は、築年数を少し広げて検索するのもひとつの方法です。
③ 立地の選択肢が広がる駅前や昔から住宅が多いエリアでは、新しい物件だけでなく築年数が経過した物件も数多く存在します。
築浅という条件を外すことで、 「この場所に住みたい」という希望を優先しやすくなる ことがあります。
④ 実際の建物状態を確認できる築年数が経過している建物は、現在どのように維持・管理されているかを実際に確認できます。
共用部がきれいに保たれている物件なら、日常的にしっかり管理されているかを考えるひとつの材料になります。
築古物件で気をつけたいポイント
築年数が経過した物件を見るときは、「古いからダメ」ではなく、現在の状態を確認することが大切です。
① 設備の新しさ建物自体は築年数が経過していても、設備が途中で交換されている場合があります。
逆に、設備も長期間使用されているケースがあります。
給湯器、エアコン、キッチン、洗面台、インターホンなど、設備の状態を確認してみましょう。
② コンセントの数・位置昔と現在では、家庭で使う電化製品の数が大きく違います。
テレビ、パソコン、スマートフォンの充電、Wi-Fi機器、調理家電などを考えると、コンセントの数や位置は意外と重要です。
③ 収納の使いやすさ押入れ中心の間取りなど、現在主流のクローゼットとは形が違う場合があります。
収納量だけではなく、「自分が持っている物を収納しやすいか」まで確認しましょう。
④ 建具などの状態ドアや窓、網戸、収納扉など、実際に開閉して確認しておくのがおすすめです。
築古でも室内がきれいな物件はある
築年数だけを見て候補から外してしまうと、意外と良い物件を見逃してしまうことがあります。
なぜなら、築年数が経過していても、 リフォームや設備交換が行われている物件 があるからです。
例えば、
- 床材を張り替えている
- 壁紙を変更している
- キッチンを交換している
- 洗面台を交換している
- 温水洗浄便座を設置している
- モニター付きインターホンを設置している
など、室内設備が更新されていることがあります。
また、大規模な改修によって間取りや設備まで変更された「リノベーション物件」もあります。
築年数だけでなく、現在の室内を確認して判断しましょう。
築年数以上に見てほしい「管理状態」
築年数が経過した物件を見るときに、ぜひ確認してほしいのが建物の管理状態です。
同じ築20年、築30年でも、維持管理のされ方によって建物の印象は大きく変わります。
共用部を見てみよう内見では室内だけでなく、
- エントランス
- 廊下・階段
- ゴミ置き場
- 駐輪場
- 郵便受け周辺
- 植栽
なども見てみましょう。
ゴミが放置されていないか、共用灯が切れたままになっていないか、整理整頓されているかなどは、管理状態を見るうえで参考になります。
反対に築浅でも、共用部の使われ方や管理状況によっては気になる部分が見つかることがあります。
「築何年か」だけでなく「現在どういう状態か」 を見ることが大切です。
設備・断熱性・防音性は築年数だけでは判断できない
「新しい建物なら暖かくて静か」「古い建物なら寒くて音が響く」と考えてしまいがちですが、これも築年数だけでは判断できません。
断熱性室内の暑さ・寒さには、断熱材、窓、サッシ、方角、日当たり、階数など複数の要素が関係します。
築年数が新しいことは判断材料のひとつにはなりますが、実際の住環境は物件ごとに確認する必要があります。
防音性防音性についても同様です。
建物構造だけでなく、壁・床の仕様、間取り、隣室との位置関係、周辺道路や線路など、さまざまな要素が関係します。
設備築古でも設備交換されていれば、新しい設備を利用できる場合があります。
逆に築浅でも、自分が希望している設備がすべて付いているとは限りません。
物件の性能をすべて表す数字ではありません。
築浅と築古、結局どちらがおすすめ?
結論としては、 どちらが良いかではなく、何を優先するかで変わります。
築浅が向いている方- 建物や室内の新しさを重視したい
- 新しい設備を重視したい
- 水回りの新しさを重視したい
- 家賃が多少上がっても築年数を優先したい
- 毎月の家賃を重視したい
- 同じ予算なら広さを優先したい
- 駅からの距離や立地を優先したい
- リフォーム済みなら築年数は気にしない
- 設備より間取りを優先したい
特にお部屋探しで候補が少ないときは、築年数条件を少し緩めるだけで、一気に選択肢が増えることがあります。
例えば「築5年以内」から「築15年以内」に広げたり、築年数を指定せず「室内がきれいな物件」を希望条件として不動産会社へ伝えたりする方法もあります。
内見で確認しておきたいポイント
築浅・築古にかかわらず、最終的には実際の物件を見ることが大切です。
室内- 床や壁の状態
- ドア・窓の開閉
- 収納の広さと使いやすさ
- コンセントの数と位置
- エアコンなど設備の状態
- 水回りの使いやすさ
- エントランスの清掃状態
- 廊下・階段
- 駐輪場
- ゴミ置き場
- 郵便受け
- 外壁など建物全体の印象
- 駅やバス停までの実際の道
- スーパー・コンビニなどへの距離
- 周辺道路の交通量
- 周辺から聞こえる音
- 日当たりを遮る建物の有無
築年数という数字は検索条件として便利ですが、毎日の暮らしやすさは数字だけでは分かりません。
「同じ家賃なら、どちらで暮らしたいか」を実際の物件同士で比較してみるのがおすすめです。
まとめ
築浅物件には、建物や設備の新しさ、水回りのきれいさなどの魅力があります。
一方、築年数が経過した物件には、家賃を抑えやすかったり、同じ予算で広い部屋を探せたり、希望する立地で選択肢が増えたりするメリットがあります。
さらに、築古でもリフォームや設備交換によって室内がきれいになっている物件もあります。
そのため、お部屋探しでは 「築何年?」だけで判断しないこと がポイントです。
家賃・広さ・立地・設備・間取り・管理状態などを含めて比較すると、「築年数は経っているけれど、自分にはこちらのほうが暮らしやすそう」という物件が見つかることもあります。
築浅と築古のどちらかに最初から絞り込むのではなく、まずは自分が何を優先したいのか整理してみましょう。
そのうえで実際のお部屋を比較することが、自分に合った賃貸物件を見つける近道です。
築浅・築古にこだわりすぎず、家賃・広さ・立地・設備などを比較しながら、自分に合ったお部屋を探してみましょう。
