
春を呼ぶ炎と祈り ― 長谷寺の修二会「だだおし法要」
圧倒的な迫力と荘厳な雰囲気。
毎年2月14日に奈良県桜井市初瀬の長谷寺で行われる「修二会(しゅにえ)」のクライマックス――「だだおし法要」。長谷寺は「花の御寺」としても知られる名刹で、四季折々の花が美しいことでも有名ですが、冬から春に向かうこの時期に行われる修二会は、古くから続く仏教行事のひとつ。
特に「だだおし法要」は、鬼を追い払い、無病息災・五穀豊穣を祈る行事として地元では親しまれています。
当日、法要が始まる夕方には、すでに本堂には多くの参拝者が集まっていました。
日が暮れると、いよいよ「だだおし」の時間。
松明を手にした法螺貝(ほらがい)の音が響き渡る中、3体の鬼、赤鬼・青鬼・緑鬼が登場。
鬼たちは大きな金棒を振り回しながら、本堂のまわりを力強く練り歩きます。その姿は迫力満点で、子どもたちの驚きと歓声が境内に響き渡りました。
しかし、この鬼たち、ただの“悪”ではないのがこの行事の面白いところ。
人々の煩悩や厄災を体現する存在であり、同時にそれを引き受けてくれる役割も担っているのだそう。
そして、鬼たちは最後に僧侶によって「追い払われ」、清められた境内には新たな春の気配が漂います。
炎のゆらめき、鬼の迫力、そして仏の慈悲――その全てが重なり合い、寒空の下にいてもどこか心が温かくなる、そんな不思議な時間でした。
長谷寺の修二会は、ただのイベントではなく、人々が静かに祈りを込め、心を整えるための時間でもあります。
観光客として訪れた私にも、その空気はしっかりと伝わってきました。
来年もまた、この神秘的な火の祭典を見に、初瀬の町を訪れたいと思います。
長谷寺の「だだおし法要」、まだ体験したことがない方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
きっと心に残る春の始まりになるはずです。
詳細情報
| 開催日 | 毎年2月14日 |
|---|---|
| 会場 | 長谷寺 |
| 住所 | 奈良県桜井市初瀬731-1 |
| 電話番号 | 0744-47-7001 |
| 公式URL | http://www.hasedera.or.jp/ |
| 公共交通機関でのアクセス | 近鉄大阪線「長谷寺」駅から徒歩約26分 |
| 車でのアクセス | 大和髙田バイパス「橿原市四条町」より自動車約30分 西名阪自動車道「福住IC」より自動車約21分 |
