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すだれ

夏といえば、かき氷。
実は奈良県はかき氷の聖地と言われています。
特に2016年ごろから奈良市を中心にかき氷専門店がいくつもオープンし、
人気店は観光客などで行列が絶えません。


宝石箱

かき氷といえば、ガリガリ削った氷にシロップをかけた
夏祭りで見かける昔ながらのものをイメージしますが
最近のかき氷は驚くほど進化をしていて、
氷は雪みたいにふわふわ、シロップや果物も凝ったものが使われており
奈良の新しい食文化として定着しています。
また奈良はイチゴの産地でもあるので、「あすかルビー」や「古都華」などの
ブランドイチゴを使ったメニューも豊富です。


古都華

TEXT:MARUWA


 

氷の神様が祀られている

氷室神社

どうして奈良がかき氷の聖地になったのでしょうか。
その起源はなんと1300年前の平城京の時代まで遡ります。

奈良公園の隣にある「氷室神社(ひむろじんじゃ)」は、
名前からイメージできるように氷の神様が祀られています。
氷室とは、冬にできた氷を夏まで保存しておくための保管庫で、いわば天然冷凍庫です。
山奥などの涼しいところにかまくらのような小屋を建ててその中で氷を保管します。
冷蔵庫もない時代に、半年も氷が解けずに残っているの?と疑問に思いますが
そこは昔の人の知恵でうまくいっていたみたいですね。
平城京で暮らす天皇や貴族などの身分の高い人達が、夏に氷を保冷剤として使っていたようです。
(この時点でかき氷が存在していたかは不明)

このことから、東大寺にほど近い奈良市春日野町に氷室神社が建立され、
氷の神様が祀られるようになりました。
神社を建ててお祀りするほど、当時の人々にとって氷は貴重なものだったのですね。


氷業者の聖地からかき氷の聖地へ

昔から氷室神社では全国から氷を扱う業者やかき氷屋さんが
商売繁盛を願って参拝に訪れます。
また2014年から「ひむろしらゆき祭」が毎年春ごろに開催されて、
全国の有名なかき氷店のかき氷がふるまわれます。

このような歴史的な経緯と町おこしの意味合いもあって、奈良はかき氷の聖地として すっかり定着しました。
夏はもちろん寒い冬でもおいしく食べられるようなメニューが豊富にあるので、
ぜひお気に入りの一杯を見つけてください。